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医療費無料化は正しいか。
今回のミニ統一地方選挙を通じて、深く憂えていることがある。その一つが、子どもの医療費無料化の公約がバナナの叩き売り状態だったことだ。

確かに、東京23区などは早くから小中学生の医療費を無料化している。東京では23区と都下の市町村との格差が問題になっているくらいであり、全国的にも、子どもの医療費負担に地域差があることは、(それだけを取り出せば)もちろん問題である。

幼い子の病状に気をやんでいるとき、家計の心配をしなくてはならないのは、社会正義にもとることだとも思う。

 

しかし、いまの時点で、青森県内で、子どもの医療費無料化を図ることが政策判断として正しいか?と問われれば、私は反対である。


おそらくいま、青森市の財政担当者は、新市長の公約にそって子どもの医療費無料化に踏み切るために、財源をどうやってひねり出すのか、相当に頭が痛いことだろう。

しかし、ことはそんな生易しい問題ではない。もちろん、文字通り財政問題が深刻な問題ではないという意味ではない。しかし、そう言いたくなるほど大きな問題がこの政策の背景にあると思う。

地域の医療現場はいま、悲惨である。ほとんど医師(なかでも勤務医)の使命感と体力によって支えられていると言ってよい。

私の義弟は弘前大学病院の小児科担当だったが、家族が真剣に彼の心身の健康を心配しなくてはならない状態が長く続き、ついに他の病院に移らざるを得なかった。

難病や重度の子どもたち担当だったから、その親や子どもたちにはまことに申し訳ないことだったと思う。しかし、私たち家族・親族は心底安堵した。

 

それでなくとも医療現場では医師や専門技術者が著しく不足している。コンビニ受診がその問題をいっそう深刻にしている。

青森市の市民病院は、受診に紹介状を求めるようになって、日中の混雑は目に見えて緩和した。しかし、それでも患者の数は多く、医師たちが必死にこなしているレベルである。

仮に市が子どもの医療費無料化に踏み切れば、もちろん、ことは市民病院のことだけではすまない。


ましてや、夜間救急とくに小児救急はどうするのか。子どもの数は減っているのに、風邪や便秘など軽い症状でも小児救急に駆け込む親子は多い。

救急を24時間営業の夜間病院として利用するべきではないと、若い親の世代の自覚を求め批判するのは簡単だ。だが、説教をして何とかなるものではない。

 

いまでは共働きでなくては家族の生計は成り立たないのだから、夜しか子どもを病院に連れて行くことはできない。コミュニティの関係も希薄になってしまったから、相談できる相手もおそらくはいない。若い親たちには小児救急に頼らざるを得ない事情がある。

いわゆる「病院ショッピング」の例も後を絶たない。子どもの病状の診断に納得いくまで、複数の病院を掛け持ちする若い親がいるのだ。その気持ちは痛いほど分かる。しかし、それをされては困るのだ。

 

このままでは
、それでなくとも不足している小児科医が次々に現場を去ってしまう。そして、本来緊急に処置しなくてはいけない重症の子どもたちが次々に手遅れになる。

青森の地域医療、とくに小児医療のこの困難な状態に対して、いま子どもの医療費無料化に踏み切ることは、明らかに医療需要を増やし、いっそう克服困難な方向に押しやってしまうだろう。


そして、青森市が子どもの医療費無料化に踏み切れば、県内の他の市町村は住民に医療費負担の格差を我慢してもらうか(政治的に厳しい)、無理に右習いして財源を見つけるか(財政的に厳しい)の二者択一しかなくなる。

青森市の新政策が県内市町村に与える影響、県内医療機関に与える影響は決して小さくない。青森市内の若い親たちの医療費負担を軽くするだけの問題のように見えて、それではすまないのだ。

 

時間外診療について、病院の裁量で健康保険を適用せず、特別料金を上乗せできる特別徴収の制度も確かにある。しかし、若い親が、自分の子どもが軽症か重症か判断するのは難しいだろう。

しかも、徴収するかどうかの診断基準を公開するか公開しないか、それ一つをとっても問題は大きい。公開すれば、基準に沿って嘘の病状を申告する親たちが必ず出てくるだろう(何しろ、夜しか子どもを病院に連れて行くことはできないのだから)。逆に、本当に深刻な病状なのに、経済的な苦しさから受診を控えて処置が遅れるケースも生まれてくるだろう。

簡単に特別徴収の制度があるから、その適用で緩和するという訳にもいかないのだ。

 

つまり、いま、子どもの医療費無料化を安易に進めていけば、地域の医療資源を食いつぶしてしまいかねない、と私は思う。

市民の医療費負担の軽減よりも、現場の医療資源(医師の数、医師の気力、体力、判断力)を維持する政策の方がはるかに先に手を打つべきことではないか。それが、地域医療の現実だと思う。

(これは、私が学んできた経済学の分野では「共有地(コモンズ)の悲劇」として理解されている問題だ。このことは、やや抽象的で地域の現実を離れることになりかねないので、稿を改めて論じたい。)

 

自治体の首長は地域医療について責任がある。首長は、そしてそれをめざす政治家は、「限られた医療資源をどう利用するのか
」という観点が不可欠だ。

子どもの医療費を無料化するという政策は、本来、地域医療資源の現状と深く関わる問題であるのに、その点があまりに意識されてこなかったのではないか。これが、私が心配している点であり、賛成できない点である。

少なくとも、無料化実施にあたっては相当慎重に、できる限り、医療資源に関する有効な政策とカップリングで進めてもらいたい。

コンビニ受診を市民自身の協力で減らしていくような市民活動を広げることも急がなくてはいけないだろう。


そして、多くの政党や政治家のマニフェストについて、なかでも医療部門のこの問題点について、県内の医療関係者、医療政策関係者はいったいどう判断しているのだろうか。ぜひ聞かせてもらいたいと切に思う。

 
| C.政治・政策形成一般 | 19:31 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark | このページのトップへ
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| - | 19:31 | - | - | pookmark | このページのトップへ
こんにちは中橋さん。
小児の医療費無料化、特に青森市鹿内市長の公約実現と県内自治体に与える影響に関して議論の提起ありがとうございます。
この問題に関しては、ご指摘のようなご意見など様々な意見があるかと思われますが、実際はどうなのかという実例、数字、エビデンスが不足しているように思われます。

いくつかの疑問をあげれば、
1)小中学校の医療費を無料にすると、自治体に実際にいくら位の負担になるのか。
2)既に実施した自治体において、それが実際に財政を圧迫して、他の部分にしわ寄せが起きているのか。
3)無料にした自治体において、コンビニ受診の急増が認められているのか。
特に3点目についてのエビデンスは現在までのところ明らかなものは出ていないと思います。
それが確かめられなければ、中橋さんの議論の中心部分に説得力が欠けてくると思われます。

ご存知のように、いま子どもを育てている家庭の負担感は非常に大きい。一般的には教育費。
医療費はどうかと言うと、実際には幼児期後半から小学生、中学生と進むにつれ、普通は医療機関の受診頻度は激減し、高校生になれば一生のうちで最も医療費のかからない年代に入ってきます(平均的には)。
ただし、平均的にと書いたのは、喘息など慢性の病気を抱えている子ども、特にそういう家庭は兄弟姉妹で何人も罹っていることが多いので、特定の家庭だけ医療費の負担感が非常に大きい。
また、現在「無料」と称している就学前の年代では、所得制限があるためにボーダーの前後での不公平感が大きいことも問題です。

実際に小中学校の医療費無料化を実施した自治体でも、受診頻度やその自己負担分を計算しても、他分野と比べてさほど大きな増加にならず、その分を考慮しても少子化対策、子育て支援として重要であるという大きな視点から導入されているはずです。
青森県内で子どもを安心して生んで育てられる、これは当然医療だけでなく雇用、保育、教育など多面にわたりますが、その安心感がないと青森県はどんどん老人だけの県になっていってしまいます。

また、小児以外の医療分野、今回の予算では妊婦健診だけでなく子宮がん検診など、あるいは(これは元の政策に問題があったわけですが)後期高齢者や前期高齢者の医療費自己負担額の減額など、ある意味で選挙対策ともとれる政策に巨額の予算が投じられ、他分野でも何兆円と言う景気対策が無分別にバラ撒かれていますが、小児医療費への投入はほとんどないというのが実態です。
国政と地方行政との問題もありますが、全体としては先進各国と比べて小児医療への非常にプアーな政策が続いていることは中橋さんもよくご存知のことと思います。

小児の医療費で国や自治体の財政が破綻した実例はなく、実際には他分野の政策の失敗などが医療だけでなく社会保障への抑制を生んできたのがこれまでの経過であり、小児医療費を悪者にするのはどうかと感じます。
現状では、小児医療費のみならず小児分野への大胆な投資への政策転換が必要で、それは他県よりも貧しく危機的状況にある青森県において特にその必要性が高いと考えます。

その点で、今回子どもの問題を公約の大きな柱にして大差で当選した鹿内市長への期待は大きいのですが、ご指摘のように実際の市政運営でどのような形で実現していくのかには不安もあり、注目しているところです。

基幹病院への子どものコンビニ受診の問題については当然放置していい問題ではなく、八戸から始まり弘前、青森でも急病診療所への開業小児科医連日勤務などの努力はしていますが、実際にコンビニ受診する年代は現在でも乳幼児が圧倒的で、小中学生の割合は少なくなります。

おっしゃるように市民の運動で基幹病院へのコンビニ受診を減らして小児医療を救った例もあります。
無料化しても夜間だけは逆に負担を増やすなどという意見もあり、一考に値するかと思われます。

また、政府やマスコミの影響も大きいと思われます。
現在やっているインフルエンザ(新型インフルエンザ)対策で、逆に国民の不安を煽っている。
他国はこのような過剰反応ではなく、もっと落ち着いた対応をしているようですが、この問題は少しずれてくるのでここまでとしておきます。

いずれにせよ、ご指摘のようにこの問題が鹿内市長の当選でやっと県内では表に出てきたわけですので、特に首長や国会議員などへの大きな問題提起となって理解が深まり、実際の政策にどのように反映されてくるのか、議論を望みたいと思います。
| kuba@八戸 | 2009/05/06 5:10 PM |
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